遺産相続と相続の放棄

被相続人の死亡と同時に個人の財産は相続人に自動的に継承されます。遺産の分割は一般的には遺言状による場合あるいは相続者全員の話し合いによって定めます。民法では遺産相続における法定相続人とその分割割合を定めていますが、一般的には遺言書や相続者全員の話し合いの方が優先します。もちろん法定相続人が例えば遺言書の内容に異を唱え、法定の遺留分の申請をすれば、相続財産の8分の1が遺留分として認められることとなります。

また遺産相続には正の財産相続と債務という負の財産相続があります。例えば巨額の負の財産相続がある場合等は相続放棄や限定承認という申し立てを家庭裁判所に行うことができます。この申し立ては自己のために相続の開始があったと知った日から3ヶ月以内に行います。相続放棄では正の財産と負の財産限の療法を放棄します。

限定承認では正の財産はそのまま相続し、負の財産は正の財産の範囲内で引き継ぎます。その他遺産相続において「事実上の相続放棄」という考え方があります。「事実上の相続放棄」の例を掲げます。例えば生前に被相続人から充分な生前贈与を受けている場合などです。

この場合「特別受益証明書」を作成し、相続を放棄します。相続登記において共同相続人の一人に不動産を相続させたい場合に他の相続人が記名捺印することが登記実務上認められています。また共有持分権を遺産分割前に相続放棄したり、遺産分割協議書の取得分をゼロ記載することによって、「事実上の相続放棄」を行うことができます。但し、注意しなければならないのは「事実上の遺産放棄」では遺産相続上の負の財産を放棄することはできず、相続するという点です。

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